シリーズ①:結婚への一歩が踏み出せないあなたへ ― 脳が教える行動のヒミツ

「結婚に向けて一歩踏み出したい」と思っているのに、つい迷ってしまう――
アプリ登録が面倒に感じたり、合コンの誘いを断ってしまったり。
そんな自分にモヤモヤすること、ありませんか?
「私って本気じゃないのかな?」
「やる気がないのは性格のせい?」
そう感じて自分を責めてしまう方は多いですが、実はそれ、あなたの意志が弱いからではありません。
心理学的にも証明されている、“脳の自然な反応”なのです。
今回は、こころ家の婚活心理カウンセラーが、
「結婚に向けて一歩踏み出せない」あなたの心と脳のメカニズムを分かりやすく解説します。
脳は「未来の幸せ」より「今の苦痛」を避けたがる
婚活を始めると、多くの人は「結婚」という大きな目標を思い描きます。
幸せな家庭、温かいパートナーシップ…。
しかし、その理想の未来よりも、脳は**“今すぐ感じる小さな不快”**を強く意識してしまいます。
心理学ではこれを 「時間割引(Temporal Discounting)」 と呼びます。
「未来の報酬よりも、今の快・不快を重視する」――これは人間の本能的な傾向です。
遠くの報酬より、目の前の安心を優先する「時間割引」とは
たとえば、「1年後に100万円もらえる」と「今すぐ90万円もらえる」と言われたら、多くの人は後者を選びます。
これは「損」ではなく、脳が**“確実な安心”を優先している**からです。
婚活も同じです。
「結婚したい」という未来の幸せ(=大きな報酬)よりも、
「アプリ登録が面倒」「初対面が怖い」「断られたら傷つく」といった
**“今すぐ感じる不快”**を避けようとします。
「面倒くささ」は、脳にとって“確実なストレス”
心理学では、私たちの脳は**「不確実な報酬」よりも「確実な苦痛」**を強く認識すると言われています。
つまり、“まだ手に入るか分からない幸せ(=結婚)”よりも、
“今すぐ感じる面倒(婚活)”を優先して避けてしまうのです。
たとえば:
- アプリのプロフィール作成
- 初対面での会話の緊張
- メッセージのやり取りのプレッシャー
こうした小さなストレスが積み重なると、脳は自然と
「今はやめておこう・・」と判断します。
でもね、これは怠けでも意志の弱さでもなく、脳があなたを守っている反応なのです。
もっといれば、動物としての生存本能です。
手を伸ばせば食べものをゲットできるかもしれないけど、そこに天敵がいる!となれば命を守るために食べ物を諦めるという選択肢を選ぶという事も自然なことですもんね。
「結婚に向けて一歩踏み出せない」と感じる心理
そして実は、「結婚したい」という思いが強ければ強いほど、その裏側で**“動けなくなる心理”**が働きやすくなります。
「行動しなきゃ」という焦りが、かえって動けなくする
脳は「やらなきゃ」と思うほどストレスを感じます。
心理学ではこれを 「心理的リアクタンス(心の反発)」 と呼びます。
つまり、「婚活しなきゃ」「もう年齢的に急がなきゃ」と思うほど、
あなたの脳はストレスを感じ、無意識に“抵抗”し、行動を止めてしまうのです。
焦りや不安はモチベーションではなく、ブレーキになります。
「やらなきゃ」よりも「やってみようかな」という軽やかさの方が、行動のスイッチを入れる第一歩になりますよね。
モチベーションが上がっても、すぐに下がるのは自然なこと
さらに「やる気を出しても、続かない…」という声もよく聞きます。
これはモチベーションが低いのではなく、
人間の脳が“変化”にエネルギーを使う仕組みを持っているからです。
たとえば初めてジムに行く日。
最初はやる気満々でも、2週間後には続かなくなる人も結構います。
これは婚活でも同じ。「最初のやる気」は一時的な脳内興奮状態。
それを責めるのではなく、下がるのが普通と知っておいてください。
下がるのが普通と知っているだけでも、気持ちが楽になります。
室は行動が続く人って、“やる気を上げる”よりも、
**“やる気が下がっても動ける環境”**を先に整えているんです。
自分を責めないで。「一歩を踏み出せないのは正常な反応」
「行動できない私ってダメだな…」と思うかもしれません。
でもそれは、あなたが怠けているのではなく、正常な脳の働きです。
脳は未知のこと・リスクのあることにブレーキをかけるようできています。
生き物として自然なことです。
だからこそ、「踏み出せない自分を理解する」ことが、安心して一歩を踏み出す第一歩になるのです。
婚活を始めるには、「意志の力」よりも「仕組みの理解」が必要。
そして、あなたのペースで進めば大丈夫です。
まとめ
「一歩を踏み出せない自分」は、怠けでも弱さでもなく、脳の自然な反応です。
脳の仕組みを知ることが、安心して最初の一歩を踏み出す第一歩になります。
次回は、行動を止めてしまうもうひとつの壁――
「どうせ自分なんか…」という心のブレーキを一緒に見ていきましょう。

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